新卒採用活動において、会社説明会は自社の魅力を最大限に伝える重要な場です。
近年は学生の志向が多様化し、限られた時間の中で「伝えるべきこと」をいかに分かりやすく、そして印象に残る形で伝えるかが成功のカギとなっています。
とくに企業側にとっては、学生に「この会社で働きたい」と思わせるための最初の接点であり、会社説明会でのプレゼンの工夫や準備の質が、その後の応募数や内定承諾率に直結するといっても過言ではありません。

本記事では、「会社 説明 会 コツ」をキーワードに、好印象を与えるためのプレゼンテーションの具体的な工夫や資料作成、事前準備のポイントまでを詳しく解説します。
特に初めて会社説明会を担当する方や、集客や内容のブラッシュアップを図りたい人事担当者にとって実践的なノウハウをお届けします。

会社説明会の目的と種類

母集団形成と自社理解の促進

会社説明会の最大の目的は、採用活動における「母集団形成」と「自社理解の促進」にあります。
まず母集団形成とは、自社に興味を持ってくれる就活生をできるだけ多く集め、採用候補者の裾野を広げることです。
採用活動は最終的に選抜と選考のフェーズに進みますが、そもそもの応募数が少なければ、理想の人材と出会う可能性も限定的になります。そのため、会社説明会では学生の興味を引く工夫が欠かせません。

また、自社理解を深めてもらうことも極めて重要です。
就活生の多くは数多くの企業を比較検討しており、どの会社も同じように見えてしまうことがよくあります。
そこで、説明会を通じて自社の理念や価値観、業務内容、働く人々の姿をわかりやすく伝えることで、「自分に合っている会社」としての認識を高めてもらうことができます。
これによりミスマッチの防止にもつながり、入社後の定着率向上にも寄与します。

合同企業説明会の特徴

合同企業説明会は、大学主催の学内説明会や民間企業主催の就職イベントなど、多数の企業が一堂に会する形式のイベントです。
限られた時間内で多くの学生と接点を持てるのが最大のメリットであり、特に知名度の低い中小企業にとっては、自社を知ってもらう絶好の機会です。

ただし、合同説明会は他社との競争が激しい場でもあります。
学生は多くのブースを回る中で印象に残った企業にしかエントリーしない傾向があるため、短時間でインパクトを与えるプレゼンが求められます。
また、会場の制約から装飾や音響設備に限りがあり、自社らしさを伝えるには創意工夫が必要です。

個別企業説明会の特徴

個別企業説明会は、自社単独で開催する説明会です。
会場や進行を自由に設計できるため、企業の雰囲気や働く環境、社風をより深く伝えることが可能です。
また、学生との距離も近く、質疑応答や座談会などを取り入れることで双方向のコミュニケーションが図れます。

個別説明会に参加する学生は、自社にある程度興味を持っているケースが多く、エントリー率や選考移行率が高い傾向にあります。
一方で、集客力が問われるため、SNSや採用サイト、就職ナビでの告知・広報が非常に重要です。

Web説明会（ライブ配信型・録画配信型）の特徴

Web説明会は、オンラインで実施する形式の会社説明会で、ライブ配信型と録画配信型の2種類があります。
コロナ禍以降、急速に普及し、現在も多くの企業が採用しています。

ライブ配信型の魅力は、リアルタイムでの質問受付や臨場感のあるプレゼンができる点です。
対話的な要素を盛り込むことで、学生の参加意識を高めることができます。
一方、録画配信型は視聴時間を選ばず、より多くの学生に届けることが可能です。
内容を何度も見返せるため、理解度の向上にも貢献します。

ただし、Web説明会では「通信環境」や「画面越しでの印象の伝え方」に注意が必要です。
対面とは異なり、視覚や聴覚に頼る要素が多いため、プレゼン資料や話し方の工夫が成功の鍵となります。

就活生が会社説明会に求めている内容

会社概要や事業内容

就活生が最も基本的に求めているのは、「この会社が何をしているのか」「どんな業界に属しているのか」という会社概要や事業内容の情報です。
特に学生の多くは、就職活動の初期段階では業界知識も浅く、企業のHPだけでは実態がよくわからないと感じています。
だからこそ、会社説明会では単なる企業紹介にとどまらず、「なぜこの事業を行っているのか」「どんな社会課題を解決しようとしているのか」といった背景や目的を丁寧に語ることで、理解と共感を得ることができます。

また、事業領域の全体像だけでなく、主力商品やサービスの具体例を交えて紹介すると、学生にも身近に感じてもらいやすくなります。
将来的な事業展開や成長戦略も含めると、企業としての将来性をイメージさせることができ、学生の関心を引きやすくなります。

ビジョンや経営幹部のメッセージ

近年の就活生は「自分の仕事が社会にどう貢献するのか」「この会社でどんな価値を創り出せるのか」といった視点を重視する傾向にあります。
そのため、企業のビジョンやミッション、パーパス（存在意義）を明確に伝えることが重要です。
特に社長や役員など経営層からのメッセージは、会社全体の方向性や価値観を象徴する情報として、学生に強い印象を与えます。

経営者が語る「どんな人材を求めているのか」「これからの社会において企業が果たすべき役割」などの内容は、会社に対する信頼感や将来性への期待につながります。
可能であれば、経営幹部が直接出演する動画やライブ登壇などを取り入れることで、よりリアルな温度感を届けられるでしょう。

仕事内容や職場環境

実際に入社した際に自分がどのような業務を担当するのか、どのようなチームで働くのかといった具体的な仕事内容や職場環境は、学生にとって大きな関心事です。
どれほど企業の理念や事業内容が魅力的であっても、自分自身の働く姿がイメージできなければ応募意欲にはつながりません。

そこで説明会では、各職種の具体的な業務内容や1日のスケジュール、部署間の連携などを詳細に紹介することが大切です。
また、オフィス環境や福利厚生、リモートワークの実施状況、残業時間などの労働環境にも学生は敏感に反応します。
可能であれば写真や動画、社員インタビューを活用して、リアルな働く現場を伝えましょう。

先輩社員の生の声

先輩社員による体験談やQ&Aセッションは、就活生にとって最も信頼できる情報源のひとつです。
なぜなら、年齢の近い社員の声は自分自身の将来を想像しやすく、現場目線のリアルな情報が得られるからです。
説明会では、入社の決め手や実際に働いて感じたこと、キャリアパスの話などを率直に語ってもらうことで、会社への親近感や安心感を醸成することができます。

特に効果的なのは、多様なバックグラウンドを持つ社員を登壇させることです。
理系出身、文系出身、転職組、新卒入社後数年の若手社員など、さまざまなロールモデルを提示することで、より多くの学生に「自分にも合いそう」と思ってもらえるチャンスが広がります。

採用情報や選考プロセス

説明会に参加する学生は、自社への興味をある程度持っていることが多く、次に知りたいのは「どうやって応募すればよいか」「選考はどんな流れか」といった採用情報やプロセスです。
応募開始時期やエントリー方法、選考フロー（ES提出→面接→内定）などは明確に示すようにしましょう。

また、どのような人物像を求めているのか（選考基準）を具体的に伝えることで、学生の自己分析や準備にも役立ちます。
例えば「チャレンジ精神を持つ人」「論理的思考力を重視」などのキーワードを提示することで、学生は自分との適性を判断しやすくなります。
さらに、インターン経験が選考に影響するのかといったFAQも丁寧に解説することで、学生の不安を取り除き、スムーズな応募を促進できます。

プレゼンのコツ①：伝えたい内容を簡潔に整理する

就活生が知りたい情報に焦点を当てる

会社説明会のプレゼンでは、自社の魅力を余すことなく伝えたいという思いが強くなりがちです。
しかし、情報を詰め込みすぎると、かえって学生にとって印象がぼやけてしまい、伝えたいメッセージが埋もれてしまうことがあります。
そこで重要になるのが、「就活生が本当に知りたいことは何か」に的を絞って情報を整理することです。

多くの学生は、企業の歴史や細かい業績データよりも、自分が働く上での「リアルなイメージ」を求めています。
たとえば、「自分はどんな部署で、どんな仕事をするのか」「職場の雰囲気や成長機会はあるのか」など、具体的なキャリアイメージにつながる内容が重要です。
そのためには、事前に過去のアンケート結果や学生の質問傾向を分析し、関心の高いテーマをプレゼンの中心に据えると効果的です。

自社の強みや他社との違いを明確に

就活生は多くの企業説明会に参加しており、似たような業種や業務内容の会社をいくつも比較しています。
そこで選ばれる企業になるためには、「自社ならではの強み」や「他社と異なるポイント」を明確に打ち出すことが必要不可欠です。

「中小企業だが風通しの良い環境で若手が早期に活躍できる」「海外事業に積極的に取り組んでいる」「女性のキャリア支援制度が充実している」など、他社にはない自社の特徴をしっかり伝えることで、印象に残りやすくなります。

このとき、単なるアピールにとどまらず、具体的な事例や実績を添えて話すと説得力が増します。
また、競合他社との違いを自社視点だけで語るのではなく、「なぜ学生にとって価値があるのか」という視点で伝えることも重要です。

テーマを絞り込んでメリハリをつける

限られた説明会の時間の中ですべての情報を網羅しようとするのではなく、あえてテーマを絞ることで、プレゼンにメリハリを持たせることができます。
「働き方改革」「グローバル展開」「若手社員の活躍」など、1つのテーマに深くフォーカスすることで、学生の関心を引きやすくなり、印象にも残りやすくなります。

テーマを絞ることで、説明の内容に一貫性が生まれ、聞き手が情報を整理しやすくなります。
また、話し手にとっても準備がしやすく、時間配分のバランスも取りやすくなります。
テーマ選定は、企業の採用方針や業界トレンドに合わせて柔軟に変更し、参加する学生層に応じて最適な内容を選ぶようにしましょう。

プレゼンのコツ②：分かりやすく魅力的な資料を作る

シンプルで見やすいスライドデザイン

就活生の集中力を維持し、企業のメッセージを的確に伝えるためには、視覚的に「見やすい」資料作りが非常に重要です。
特にオンライン説明会では、スライドが情報伝達の中心になるため、デザイン性の高い資料は参加者の理解度や印象に大きく影響します。

スライド作成の基本は「1スライド1メッセージ」です。多くの情報を詰め込むのではなく、伝えたい要点を絞り、箇条書きや図解などを使ってわかりやすく整理することがポイントです。
色使いはコーポレートカラーを基調としつつ、強調したいポイントにアクセントカラーを使うと視認性が高まります。
また、フォントサイズはオンライン視聴でも読みやすいように設定し、最低でも24pt以上を目安にするとよいでしょう。

加えて、同じデザインテンプレートを全体に統一することで、視覚的な整合感が生まれ、プレゼンの質を高める効果もあります。
伝えたいことを直感的に理解してもらうためには、デザインにも戦略性が求められます。

写真や動画を活用した視覚的訴求

静的なテキストだけでなく、写真や動画を効果的に取り入れることで、説明会の臨場感と訴求力が格段に向上します。
とくに学生にとって印象に残りやすいのが「オフィスや現場の写真」「社員の働く姿」「インタビュー動画」など、リアルな雰囲気を感じられる素材です。

たとえば、業務中の写真を掲載することで、職場の雰囲気や社員の表情、チームワークの様子などが視覚的に伝わり、「ここで働きたい」という感情的な共感につながります。
また、短い動画で先輩社員の一日を紹介するコンテンツなども効果的です。動きがあるコンテンツは視聴者の関心を引きつけやすく、離脱を防ぐ要素にもなります。

ただし、写真や動画は画質や音声のクオリティも重要です。
プロの撮影を活用するなど、素材の質にも配慮し、ブランドイメージを損なわないように注意しましょう。

データや事例を用いた説得力のある説明

就活生は企業の言葉に対して「本当にそうなのか？」「具体的な根拠はあるのか？」という疑問を抱くことが多くあります。
そこで必要となるのが、定量的なデータや実際の事例を盛り込んだプレゼンです。
これにより、企業の主張に裏付けを与え、信頼性と説得力を高めることができます。

たとえば、「若手が活躍している」と伝えるのであれば、20代の管理職比率や入社後〇年での昇進事例などを具体的に示すことで、言葉の裏付けになります。
また、「働きやすさ」を伝える際には、育休取得率や残業時間の平均値など、学生が気にする数値を明示することで安心感を与えられます。

さらに、実際の成功エピソードや社員のストーリーを紹介することで、データに感情を伴わせ、より深い共感を得られます。
論理と感情の両面から訴求することが、学生の記憶に残るプレゼン資料をつくる秘訣です。

プレゼンのコツ③：双方向のコミュニケーションを心がける

一方的な説明にならないよう工夫する

多くの会社説明会では、企業側が一方的に話し続ける「講義形式」のプレゼンが主流ですが、それでは就活生の集中力が続かず、印象にも残りづらいのが実情です。
近年の学生は「参加型」や「体験型」のコミュニケーションを好む傾向にあり、プレゼンにおいても「聞く」だけでなく「参加する」ことが求められています。

そこで効果的なのが、「双方向のやりとり」を意識した構成にすることです。
最初に「〇〇という悩みを持っていませんか？」と問いかけることで学生の関心を引き出したり、「この内容について質問がある方は、チャットにコメントしてください」といった形でリアルタイムのフィードバックを受け付けたりすることで、参加者との距離感を縮めることができます。

また、オンライン開催であっても、Zoomの投票機能やチャット欄、Q&A機能を活用することで、学生が自分の意見を出したり、疑問を解消したりすることができ、理解度や満足度が大きく向上します。

質問しやすい雰囲気を作る

プレゼン中は学生の表情や態度、チャットでの反応などを観察し、必要に応じて内容や話し方を柔軟に調整することも重要です。
「やや難しそうな顔をしている学生が多い」「質問があまり来ない」といった場面では、あえてテンポを落として丁寧に説明したり、例え話を加えてわかりやすくする工夫が必要です。

説明会は企業が一方的に情報を伝える場ではなく、学生の理解や感情に寄り添いながら信頼関係を築くプロセスでもあります。
そのためには、あらかじめスライドを固定的に決めるのではなく、ある程度の余白やアドリブを残しておくことが、柔軟なプレゼンにつながります。

また、説明が一段落したタイミングで、「ここまででわからないことはありませんか？」と確認する姿勢も、双方向性を高める大切なポイントです。

アンケートで就活生の反応を確認する

会社説明会の成功を測るうえで、参加者の反応を「定性的・定量的」に把握することは非常に重要です。
そのために活用すべきなのが、説明会終了後に実施する【アンケート】です。
アンケートは、学生がどのようにプレゼンを受け止めたのか、何に関心を持ったのか、逆に何が理解しづらかったのかなどを直接知る貴重な機会となります。

アンケートの設計は、目的に応じて項目を工夫することがポイントです。たとえば、以下のような項目が考えられます。

• 説明内容のわかりやすさ（5段階評価など）

• 印象に残った話題やスライド

• 聞きたかったが説明されなかった内容

• 登壇者の話し方・雰囲気への評価

• 会社への興味の変化（説明会前と後でどう変わったか）

• その他、自由記述での感想・意見

これらのフィードバックを集計・分析することで、今後のプレゼンの改善点が明確になります。
「用語が難しくて理解できなかった」という声が多ければ、次回はより噛み砕いた表現に直すことができますし、「社員のリアルな話が一番印象に残った」という意見が多ければ、そのパートを強化する方向性も見えてきます。

さらに、アンケートは単なる評価ツールではなく、就活生との【対話の延長線】でもあります。
自由記述欄に書かれた質問や意見に対して、後日メールなどで丁寧にフォローすることで、「この会社は学生を大切にしてくれている」と強い印象を残すことができます。

会社説明会の事前準備チェックリスト

スピーカーとテーマの決定

まず最優先で行いたいのが、説明会で登壇する「スピーカー」と「プレゼンテーマ」の決定です。
誰が話すかによって、伝わる印象や信頼感は大きく変わります。

経営層が登壇することで、会社のビジョンや方向性に対する信憑性が増し、現場社員が話すことで「リアルな仕事の雰囲気」が伝わりやすくなります。
役職や部署のバランスを見ながら、学生が関心を持ちやすいメンバーを選定しましょう。

テーマは、企業の特長やターゲット学生の興味をふまえ、「誰に、何を、どのように伝えるか」を明確にします。
テーマが曖昧だとプレゼンに一貫性がなくなり、学生の印象にも残りにくくなってしまいます。
複数名で登壇する場合は、各自の担当パートや話す順番も早めに決めておきましょう。

会場確保と設営計画

対面開催の場合、会場の選定はアクセスの良さ・設備の充実度・収容人数を基準に検討します。
特に学生が多く集まる大学近辺や駅周辺の会議室は早めに予約しないと埋まってしまうことも多いため、余裕を持ったスケジューリングが重要です。

会場選定後は、以下のような設営計画を立てます。

• プロジェクターやスクリーンの有無、持ち込み可否

• 受付・誘導の動線設計

• 着席配置（教室型、シアター型など）

• 控室や荷物置き場の確保

• 音響機器やWi-Fi環境の整備

会場に実際に足を運び、導線や視認性を確認しておくと安心です。
また、災害や急なキャンセル時の対応策（キャンセルポリシー、オンライン開催への切り替え）も想定しておくと万全です。

運営スケジュールとプログラムの策定

説明会は限られた時間で学生に魅力を伝える場です。
そのため、スケジュールとプログラムの設計は極めて重要です。

例えば、1時間の説明会であれば、以下のような構成が一般的です。

• 5分：挨拶・説明会の流れ説明

• 10分：会社概要・事業紹介

• 10分：ビジョン・経営陣のメッセージ

• 15分：社員による仕事内容紹介

• 10分：採用情報・今後の流れ

• 10分：質疑応答・アンケート案内

「集中力が続く時間」を意識しながら、各パートに適切な時間を割り当てましょう。また、登壇者の練習スケジュールや資料作成の締切も明確にし、当日までの準備タスクを逆算して管理することが大切です。

効果的な告知・集客方法の検討

優れた説明会を準備しても、集客が不十分では意味がありません。ターゲットとする学生に適切にリーチするため、以下のような多角的な告知手段を活用しましょう：

• 就職ナビサイト（リクナビ、マイナビなど）への掲載

• 自社サイトや採用特設ページでの告知

• 大学キャリアセンターへの情報提供

• 学生向けSNS広告（Instagram、Xなど）

• 学内掲示・メール配信（大学によっては可能）

訴求力のある告知文を書く際は、「どんな内容が学べるのか」「どんな人に向いているのか」を明記し、企業の魅力と説明会の参加メリットを明確に打ち出すことがポイントです。

また、申込時点で「参加動機」「知りたいこと」などを簡単にヒアリングしておくと、プレゼン内容に反映でき、参加者満足度の向上にもつながります。

エントリー導線の設計

優れた説明会を準備しても、集客が不十分では意味がありません。
ターゲットとする学生に適切にリーチするため、以下のような多角的な告知手段を活用しましょう。

• 就職ナビサイト（リクナビ、マイナビなど）への掲載

• 自社サイトや採用特設ページでの告知

• 大学キャリアセンターへの情報提供

• 学生向けSNS広告（Instagram、Xなど）

• 学内掲示・メール配信（大学によっては可能）

訴求力のある告知文を書く際は、「どんな内容が学べるのか」「どんな人に向いているのか」を明記し、企業の魅力と説明会の参加メリットを明確に打ち出すことがポイントです。

また、申込時点で「参加動機」「知りたいこと」などを簡単にヒアリングしておくと、プレゼン内容に反映でき、参加者満足度の向上にもつながります。

まとめ

会社説明会のプレゼンは、単なる企業情報の提供の場ではなく、「学生との最初の接点」であり、「企業への第一印象」を決定づける極めて重要な機会です。
成功するプレゼンの鍵は、大きく分けて2つ――“共感”と“情報設計”にあります。

まず、“共感”とは、就活生の立場に立って「何を知りたいのか」「何に不安を感じているのか」を考え、そのニーズに応える形でプレゼンを構成する姿勢です。
一方的な企業目線のアピールではなく、「あなたたちの疑問に本気で答えたい」という誠実さを感じられる内容こそが、学生の心を動かします。
そのためには、双方向のコミュニケーションを意識し、質疑応答や座談会などを通じて「自分の声を聞いてくれる会社だ」という信頼感を築くことが大切です。

そして“情報設計”は、限られた時間内で効果的にメッセージを伝えるための戦略です。
就活生が本当に知りたい情報を軸に据え、伝える順番や資料の構成を工夫することで、情報がスムーズに伝わり、印象に残りやすくなります。
シンプルで洗練された資料デザイン、実例や数値による裏付け、そして必要な部分に動画や写真を加えることで、理解と納得を深めることができます。

さらに、オンライン開催が主流となった今、通信環境や話し方、資料配布などの工夫も求められます。
細部にわたる準備と心配りこそが、学生の「この会社で働きたい」というモチベーションにつながるのです。

企業がいかに魅力的であっても、プレゼンの質によってその魅力が正しく伝わらなければ、就活生の心には響きません。
だからこそ、プレゼンの技術を高めることは、採用成功のための第一歩です。情報を“届ける”のではなく、“伝わる”形にする――その意識が、会社説明会をより魅力的で印象深いものに変えていきます。

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